★妖精の城★【中編1】のつづきでございます(((u u*)
時は17世紀、バイエルン選帝侯フェルディナント・マリアとその妻ヘンリエッテ・アーデルハイト・フォン・ザヴォイエンによって1664年に建設が始まり、19世紀半まで造営され現在の姿に.. 今もなおヴィッテルスバッハ家の個人所有で一般公開されている。
17世紀半から後半頃にヨーロッパで流行した中国趣味の美術様式「シノワズリ」 は18世紀の中頃からロココと融合して人気が最高潮になり、そんな部屋が当時のままで残されていた。

テーブルまでもがシノワズリでオリエンタル調に変身! まさに融合、現代でいうコラボである(u u*)
ロココ×シノワズリ

祝宴広間のシュタイネルネザール以外の部屋にも美しい天井フレスコ画が描かれていて、中でも面白いのがこの画。 ぱっと見如何にもルネッサンス(再生・復活)といった感じだけど、よく見ると何やら違和感がある。
中央の男性を囲む天使の子供達。 その「羽」が蝶の羽や魚のヒレだったり、空なのに鳥ではなくトビウオのような魚が飛んでていて、貝を運ぶ子供たちと珊瑚を手にする子供もいる。 イタリアの名画「ヴィーナスの誕生」に出てくるような大きな赤い帆立貝も描かれていた。
それにしても何故帆立??
それには諸説あるが、この帆立貝は日本のものと若干異なり地中海の貝でジェームズホタテガイという品種。 日本の町中で見かける昭和シェル石油の標本になったのも実はこの貝で、新約聖書に登場するイエスの使徒の一人大ヤコブがキリスト教三大巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラ を巡る際、杖にこの貝がついていたことからヤコブのシンボルとされ、フランスではこの貝を「聖ヤコブの貝」と呼ぶようになったといわれている。 今では赤い十字架を描き「巡礼の証」として持ち歩くが、当時は食器として使われていたそうだ。

ここでは空高く飛ぶ赤いオウムが印象的。 人の言葉を覚えて話すオウムはヨーロッパの貴族の間でも人気があり、自らの地位を象徴するシンボルとしてもてはやされていたそうだ。 まるでジャック・スパロウ..
しかしここの城の見所はルートヴィッヒ1世による美人画ギャラリーが有名で、オーディオガイドの順に廻っていると遂にその部屋に辿り着いた。

1枚目

2枚目

3枚目


5枚目

6枚目
一つの部屋の壁全面にルートヴィッヒ1世が愛した美女36人の肖像画で埋め尽くされていた。
中でも1枚目の左下の女性Elizabeth Rossar Gilbert(エリザベス・ロザンナ・ギルバート)職業ダンサー兼俳優で芸名Lola Montez(ローラ・モンテス)、ダンスはそこそこだったらしいが、この美貌で著名人や裕福な男性を虜にし、その末ルートヴィッヒ1世の愛人となった。 そのスキャンダルが発覚し、1848年にルートヴィッヒ1世は退位に追い込まれるという事態が起きる。 今でいうゲス不倫というやつ.. 一方ローラはというと芸能界追放どころか国外追放という天罰がくだった。 いつの時代もこういった不祥事は繰り返されるんだな。

にしても36人は多すぎで、よくもまぁ堂々とギャラリーまで造って.. 女たらしもここまでくるとアッパレである。

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